京極家再興という重荷を抱えながら必死に生きる高次は、姉の竜子や腹心の部下、善兵衛に支えられ、戦国の世を渡っていく。「蛍大名」とそしりを受けながらもぐっと堪える高次に去来する想いは、どんなものだったのか。すべては家を守るため──この一念で秀吉、家康を相手に重い決断をしてきた男と辛酸を舐めながらも主君を信じ抜いた男を通して、どう生きるかを考えさせられる歴史小説。
江戸のはずれの尼寺・千光寺に、決まっていた縁組を断ってまで尼になりたいという女がやってくる。何かつらい体験があったようだったが、大雨の夜……。庵主・慈恵尼の作る料理が身も心もほぐしてくれる、書き下ろし時代小説シリーズ第3作。
歴史小説は“史実”か“虚構”か、という対比には意味がない。作家も歴史家も、自分の生きている時代のなかで、ある時代を切り取り、対象として書く。歴史を描くうえで、両者の差はない。史実が書かれているかどうかではなく、記述の“作法”に意味がある。本書では、「国民作家」司馬遼太郎作品のなかでもとくに人気の高い『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』を、作品全体を通してたんねんに読み込んでいく。2作品で司馬が書いた、あ
女が知ってしまったのは奉公先で密かに巡らされた恐ろしい陰謀だった。時を経てついに悪事は露見する。家督を継げない名門旗本の子弟の公事を巡る活躍を描く痛快時代小説盗賊一味の頭目、青猫ノおちかを追うのは譜代大名の杉越侍従家と火盗改。奉公人だったおちかが杉越家から追われることとなったのは、見てはいけない、知ってはならない陰謀を知ってしまったからだった。公領の境をめぐる公事に備え調べを進める誠太郎と龍次の前
関ヶ原の戦いから早1年半、加賀前田家で新座衆の処置に苦慮する太田但馬守。知行の約束を反故にして彼らを召し放つべきか。家の安泰と武士の誇りの狭間で揺れ動き、策謀に陥った末に下した決断とは――。歴史小説の第一人者・安部龍太郎が贈る、関ヶ原以後失われゆく武士の理を貫かんとする6人の生き様を描いた傑作短編集。《解説・北上次郎、内藤麻里子》
神話と古代史を行き来するファンタジー大河小説の完結編。黄金の指輪は邪馬台国に、珊瑚の指輪は邪馬奴国に。二つの指輪が導いた最終決戦の火蓋が切られる! 邪馬台国は漢の国の後ろ盾を強固なものとするため、一大率の難升米を中心として大陸への派遣団を組織する──。卑弥呼と壱与のあざなえる縄のごとき関係に倭国の栄光と悲劇が見事に描写されている。
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