博徒と自由民権 名古屋事件始末記

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〔変革が振り落とす人々の怒りと願いを甦らせる、鬼気迫る歴史研究〕明治維新による社会変革の反作用として巻き起こった自由民権運動が政府の弾圧をうけ行き詰まると、各地で「激化事件」と呼ばれる過激活動が勃発した。激化事件の代表的事例とされる「名古屋事件」では、実力による政府転覆を果たさんとして、その軍資金調達のために富豪からの強盗・紙幣偽造が企てられ、実際に実行犯20人による強盗事件が50数回ほど実行に移された。そして、このような過激な活動の中枢は、「ばくち打ち」「博徒」と呼ばれる者たちによって担われていた。渡世無頼の徒として、江戸後期より徒党を組んで東海道を闊歩した「アウト・ロー」たちは、なぜ、いかにして明治の世に「自由」を掲げ、暴力的な挙に及んだか。自由民権運動の実態にまったく新しい角度から切り込んだ記念碑的研究の成果。明治社会の光と影を、現代的問題関心から問い続ける松沢裕作氏による懇切な解説付き。1979年『思想』「社会史」特集号に著者が発表した論文「変革期における庶民エネルギーの源泉」を併載。[本書より]自由党=国会開設運動と、博徒=無法者(アウト・ロー)とはいったいどこで、どう結びつくものなのであろうか。私はこの疑問を、名古屋事件に参加した博徒たちの足跡を幕末期までさかのぼって克明に調べることによって、解いてみようと思いたった[解説より]研究史上の画期性とか、歴史像の刷新とかいった問題は、些末なことのように思えるほどの迫力が本書にはある。[本書の内容]I 博徒の群れII 尾張藩草莽隊III 明治初年の博徒IV 自由民権運動V 名古屋事件むすび その後の博徒あとがき付録・変革期における庶民エネルギーの源泉 博徒─草莽隊─「愛国交親社」の系譜に探る解説 「乱世」との向き合い方(松沢裕作)*本書の原本は、1977年11月に中公新書より刊行され、1995年4月に平凡社ライブラリーに収められたものです。

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