愛の単離
購入済み
シリーズ
全1冊
作品情報
話題の文芸新シリーズ[First Archives]第3回配本。人間の脳のどこかに、愛そのものは存在するのか? その愛だけを取り出すことはできるのか? 大学院生の「わたし」がラットの実験と恋人との関係を重ねながら、愛の実証にのめり込んでいく表題作「愛の単離」。体外受精の技師として働く「カナ」は、顕微鏡の下の受精卵に向き合いながら喪失のあとの長い時間を生きていく。生命の始まりを預かる暗い培養室で、死んだ子の記憶と独りきりの歳月が静かに交錯する、すばる文学賞デビュー作「地に満ちる」。彼女たちは、愛と生命の何を見つめているのか。実験し、測定し、操作しようとするその手つきは何を捉えるのか。冷静な観察と奇妙なユーモアから、生命の不可解さと愛の不確かさを描いた二篇を収録。解説・角田光代なんとうつくしい解放だろうかと、ラストシーンで私は思う。私まで解放されたような気分になる。──角田光代(作家/本書解説)「愛情」から「愛」だけを取り出したなら、残った「情」は何になるのか。こんな小説になるのである。──滝口悠生(作家)