二都物語

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全1冊

作品情報

69歳の吉村辰夫は鎌倉にある雑貨屋カフェの店長。3年前に妻を亡くし、今は気楽な独り身だ。今日は細工物や陶器などを仕入れるために、京都に来ている。大原三千院のお茶席で景色を楽しんでいると、隣に着物姿の女性が座った。その人が知っている相手だったため、辰夫は思わず声をかける。その女性は、辰夫と同じく鎌倉で夫とともに鎌倉彫の有名店を経営している汐田千陽だった。気品ある美貌を持つ34歳で、近所では『鎌倉小町』と呼ばれていた。そんな彼女がお店の繁忙期なのに、ひとりで京都にいる。勝手に家を飛び出し、思うところがあって旅をしているという。一緒に寺院を回ることになったが、途中で雨に降られてしまった。ホテルを取っていないというので、辰夫は自分が泊まっている宿に案内する。部屋の空きがなかったため、2人は同じ部屋に宿泊することになるが……。

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