あじさい電車の夜

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シリーズ

全1冊

作品情報

酒井郁夫は58歳。昨年、長年務めてきた会社を早期退職したばかりだ。ずっと続けてきた営業勤務で今は精も根も尽き果てている。妻を3年前に癌で亡くしていて、息子も自立しており、今は一人きり。充電期間と考えて、箱根旅行にやってきた。長年、夢に見ていた「夜のあじさい電車」に乗り込むと、隣の席にやってきたのは30代半ばの女性。中肉中背で、鼻筋が通った美人だが、どこか儚げな印象を受けた。雨に濡れないようにパーカーをはおっているが、白いニットを突きあげた胸の形が生々しく、スキニーパンツが豊かなヒップを強調していた。窓側の席を替わってあげたのをキッカケに会話を交わす。名前は森下妙子。2年前に交通事故で夫を亡くし、今は実家の両親と暮らしているという。お互いの境遇が似ているだけに、意気投合すると……。

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