古都のふたり

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全1冊

作品情報

大晦日の夜、54歳の河原義彦は下鴨神社にひとりで初詣に来ていた。これまでは家族でお詣りするのが恒例だったが、娘は東京の大学に進学し、妻からはいきなり離婚を求められて別居中。寂しさを感じながら参道を歩いていると、酔っ払いにビールをかけられて踏んだり蹴ったり。そんな時、いきなり妻にそっくりな女性に話しかけられた。思わず妻の名前を叫びそうになるが、明らかに雰囲気が違う。年齢は妻と同じく45歳ぐらいだが、その女性は薄紫の着物を身に着けて髪を結い上げている。妻は「堅苦しくて好きじゃない」と和服を着ることはなかった。髪の毛の色も髪型も違うし、この女性は京言葉を使っている。ビールをかけられたのを目撃して、呼び止めてくれたらしい。別人だと納得した義彦は、誘われるがまま一人暮らしだという彼女の家に行き、布団の引かれた部屋に招かれると……。

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